5年目教員の日々の学びと反省

学びは「はてな」から始まる、日々のくらしの中から見つけた「はてな」を記録するブログ。

学びの足あと(1月22日)

1月22日(土)の学びの振り返り

 昨日は多くの学びの機会があり、一日中とにかく考える貴重な一日だった。

 以下、学びの振り返りである。

 

 ①附属山口小学校(研究概要)

  カリキュラムオーバーロードと強化融合カリキュラムについて、本校独自の「創る科」

の実践をもとに説明されていた。価値の創出と受容、転移という三つの視点をもとに実践を進めていく様子がわかった。特に「転移」という点に着目している点がこれからの実践を考えるうえでの参考になった。ほかにも各教科の見方・考え方を縦軸にとり、創る科の汎用的スキルを横ぐしにさすカリキュラムも興味深かった。今回初めて研究内容を拝見したが、これからも少しずつ追っていきたいと思う。

 

②大阪作文教育研究大会(午前)

 神戸大学の川地先生より、生活綴方・作文教育における作品の読みあいについてお話していただいた。「生活綴方の定義」「生活綴方事典」より、生活綴方には、①児童・生徒またはおとなが書いたある特定の性格をもった文章(作品)について定義づけたもの、つまり作品としての生活綴方と、②綴られた作品をある集団の中で互いに研究し、吟味する過程、その他のすべての過程を通じてする教育的、自己・相互教育的作業(生活綴方教育)の二つの視点をいただけたのはよかった。ほかにも小砂丘忠義や国分一太郎の教育思想などについても触れられており、これまで個人的に研究してきた生活綴方について一定の整理がされた感覚だった。

 

③大阪作文教育研究大会(午後)

 大阪の松田先生より、作文教育の実践についてお話していただいた。子どもの話を聴くこと、子どものつぶやきを拾う「つぶやきひろい」、日記や作文などの取り組みを聞いて大変参考になった。作文教育を行うにあたって、こうした土台というか、日々の継続的な営みが大切なんだと改めて感じた。読みあいの授業については、教師と子どもたちが一人の子の作文を読みあっていく中で、その中内在する価値を見いだしたり、他者を見つめ直したり、自分自身を見つめ直したりする様子がよく伝わってきた。午前でのお話と、午後の実践報告を照らし合わせながら、もうすこし深堀りしていきたい。

 

特定外来生物オオバナミズキンバイ

 中南米原産のアカバナ科の水生植物で、特定外来生物に指定されている「オオバナ

ミズキンバイ」、琵琶湖などで大繁茂し問題になっている。外来生物は私たちの身近にいて、アメリカザリガニセイヨウタンポポなどはその典型だろう。外来生物とは、人間活動によって自然分布域外に持ち込まれた生き物を指す。意図的か非意図的かどうかは問わず、必ずしも外国から来た生物とも限らない。そして何より、外来生物と言えば、めいわく極まりない悪者としてのイメージが先行されるが、決してそんなことはなく、外来生物はただ、そこに生息しているだけなのである。たしかに外来生物によって、在来生物に与える影響や経済的な損失や人的被害などにつながるといった例はあちこちで確認されている。しかし、繰り返すが、外来生物とは人間活動によって自然分布域外に持ち込まれた生き物であり、根本の原因は我々人間にあるのである。外来生物については生態系や経済への影響が大きい侵略的外来生物や扱いに十分な注意が求められる特定外来生物など、いろいろな区分があるが、その中でも今回は特に「オオバナミズキンバイ」に焦点をあてて学んだ。オオバナミズキンバイにより、在来植物の種数がへったり、水路のつまり、水中の光環境の改変、船舶航行への影響など、様々な影響がある。2014年には大阪でも発見され、その後毎年新たな生息地が発見されているという。

 外来生物については今年度「総合的な学習の時間」で、「環境問題」をテーマに子どもたちと学習を進めてきた。その時の学びと今回のオオバナミズキンバイ、さらには大阪の自然史との関連など、見えてくるものがたくさんあった、有意義な時間であった。

 

⑤大阪の福祉と小学校

 近代大阪の福祉は施設の面で小学校に大きく依存していた。今回は小学校と福祉との関係の歴史を方面委員制度(現、民生委員制度)や警察が設立した夜学校などを素材にして振り返った。その後、そうした小学校依存体質を克服する思想・実践としてのセツルメント(隣保事業)に注目し、その特徴や可能性、限界について学んだ。

 当時の警察が主体的に社会福祉の分野に協力していたのがわかったのは興味深いし、学校の役割や学校の果たす役割、こと貧困地区と言われた地域の課題など、現代を考えるうえでのヒントをいただいた気がした。

 

 以上のように昨日は多くの学びの機会があり、その範囲も広いものだった。

 やっぱり学ぶことは楽しいし、考えることもまた楽しい。

 今日もこれからも、人生の学習者として、学び続けていきたいと思う。

 

*④と⑤については、OSAKA MUSEUMS 学芸員 TALK&THINK の企画で、オン

ライン視聴したものを振り返ったものである。

 

 *本当なら夜に、新算教育研究会のオンラインセミナーも受講する予定だったのだが、

  痛恨の申し込みわすれ。まあ、こういうこともあるよなと開き直り、居直ってその後の

時間を読書にあてた。