研究メモ No.5
<研究メモ>
ダイバーシティの定義を追ってみる
・ダイバーシティの定義は「組織における人材が均質な状態(モノカルチャー)から、多様な人材の集まっている状態や、異なる人が混在している状態」である。この意味でのダイバーシティは、組織において多様な人材を採用したが多様な人材の活用までは至っていない「箱の中のダイバーシティの状態にある」といえる。
・日経連ダイバーシティ・ワーク・ルール研究会報告書(2001)
「ダイバーシティとは多様な人材を活かす戦略である。従来の企業内や社会におけるスタンダードにとらわれず、多様な属性(性別、年齢、国籍など)や価値・発想を取り入れることで、ビジネス環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業の成長と個人の幸せにつなげようとする戦略」であると定義している。
・「ダイバーシティとは、組織が均質な状態(モノカルチャー)から、多様性を内包した状態をいう」のに対して、「ダイバーシティ&インクルージョン(ダイバーシティ・マネジメント)とは、多様な人材を企業組織に受け入れ、それらすべての人々が多様性を活かしつつ、最大限に自己の能力を発揮できると感じられるよう戦略的に組織変革を行い、企業の成長と個人の幸福につなげようとするマネジメント手法」である。
*これ以外にも多くの定義があるが、企業や組織などといった言葉を教育や学校関係の言葉に置き換えてみると、いろいろとみえてくるものがある。それにしても、ダイバーシティ&インクルージョンを「手法」ととらえることは、今までになかった視点だった。たしかに目的はダイバーシティ&インクルージョンではないし、目的実現(個人的には、共生社会の実現が目的である)のためにダイバーシティ&インクルージョンが重要であるという視点が大切なのかもしれないという気づきを得たのは大きい。
*「共生」「ダイバーシティ」「インクルージョン」「心理的安全性」「援助要請」「援助ニーズ」ここら辺のキーワードが点としてではなく、線としてつながりつつある。大学院では
これらのことを「援助ニーズ教育」「スクールマネジメント」などと関連させながら研究していきたいなあと思っている。