学習指導要領を読む
<学習指導要領を読む>
先輩とおよそ一週間に一回行っている近況報告会。
そこではざっくばらんに日常のことを話したり、教育時事についてああでもないこうでもないと話をするのだが、お互いに課題図書をきめて読書会をすることもある。
今回は、「学習指導要領」を読もうということになった。
この学習指導要領というものは、大変曲者だ。
学校教員であれば、必読であるにも関わらず、分量の多さと、内容の厚みが我々の読書欲を打ち砕きにくる。
分量の多さは大した問題ではないのだが、問題は内容、つまりは中身に書かれていることである。たった数行の中に大変重要なことが書かれていることもしばしばで、この言葉はいったい何回出てくるんだとくりかえしみかける言葉も多くある。それら繰り返し出てくる言葉は、語られる文脈が異なる中で登場しているのであるから、当然、そのどれもが似ているようで似ていない、同じようで異なっているわけだ。
学習指導要領は曲者だ。すこし理解した気になったら、そこで負けである。なるほどここはこういうことかな?と読み進めていくうちに、あれ?さっきどんなことが書かれていたっけと重要な部分を素通りしてしまうこともざらにある。
どうやらこの書を読むには大変な根気が必要であることは間違いない。
それにたった一読、いや、たとえ数回読んだとしてもこの書を理解することは難しいと心得るべきだろう。
わかりそうでわからない、これはいったいどういうことなんだ?そんな?(はてな)がたくさん浮かんでくる本はたくさんあるが、学習指導要領はそのあたりをうまく行き来している気がする。
なんにせよ、読まないとその本の中身がわからないように、「読むこと」それ自体に価値があると信じて、引き続き読み進めていこうと思う。