5年目教員の日々の学びと反省

学びは「はてな」から始まる、日々のくらしの中から見つけた「はてな」を記録するブログ。

自分を戒める

自戒の念を込めて。 最近、新任教員に関する話を聞いた。その人が言うには、新任教員が仕事がなかなかできず、 説明してもなかなか理解してもらえない。結果的にほぼつきっきりで仕事をしていて丸々二人分の 仕事をその人がしている状況にあるという。新任の人は算数でつかう教具やプリント類などを印 刷しても感謝の言葉などはほぼないという。 その人はとてもいい人だし、きっとご苦労なさっているんだなあと思う反面、少し違和感もあ る。 まず、新任教員が仕事がなかなかできないというのは、当然のことである。たかが1ヶ月で仕事 ができているのであれば、それはもはや新任ではない。そして、説明してもなかなか理解してもら えないというのは、自分の伝え方に問題があるのではないかと省みることが必要だということ だ。 僕はこういう話があるとよっぽどのことがない限り、新任の側に立つ。なぜなら土俵が違うか ら。こちらはすでに数年および十数年の経験があるが、向こうは新任。まっさらだ。そんな土俵 の違いがある中で、こちらがこうしてほしい、こうあってほしいという要求を投げかけること事態 がナンセンスだと思う。 別の方の話で、「私にも新任の時代があったから、わからなくもないけど、いくらなんで も・・・」という話があった。これも違和感がある。 なぜなら、あなたの新任として働いていた「あの時」と、今まさに働いている新任の「この時」 は、質的に全く異なるものだからだ。それは、1年目と2年目というたった一年の違いであったと しても同様である。だから、私が新任の頃はこうしていたんだけど、という経験話は参考になる としても根本的な打開策にはなり得ない。 今、現場には即戦力としての教員が求められている。教員採用試験に合格する方達は教員に必 要な資質・能力を一応は身につけていると言える。だからといってその人たちに即戦力としての 力を求めるのにはいささか無理がある。なぜなら、彼ら彼女らが資質・能力を発揮するにはそれ に伴う環境(学校現場)が必要だからだ。進んで挑戦できる環境。失敗しても支えられ、再度立 ち上がり挑戦できる、わからないことがわからないと言える、責任はこっちが取るから、とにか くやってごらんと後ろ盾がある環境。そんな環境があってこそ、即戦力としての力を発揮できる。 つまりは即戦力としての教員になるためには教員採用段階で測るだけではなく、むしろ現場でそ の力を発揮できるような環境設定ができるかどうかにかかっているといえる。 仕事ができる、できないとか、授業ができる、できないとか、そんなできる、できないという 結果をいつも判断しているのは大人(我々教員側)だ。 子どもや保護者はたとえ新任であったとしても、そんなできる、できないに躍起になる人はほ とんどいない。むしろ、一生懸命にやっているか、やっていないか、そんな過程に注目してくれて いる。これは新任に限った話ではないが、われわれ大人が周りの大人をどう見るか、見ているか ということも考えないといけないなと思った、ゴールデンウィーク前半であった。