『子どもに委ねる算数授業』読了
<学びログ No.5> <研究メモ No.7>
読了。
○「誤答の修正」を授業の中心に据える
子どもは安心感をもって学びに向き合えているだろうか
ここでいう安心感とは、
・自分の問いや疑問が、他者に共感される安心感
・自分の解決方法を、他者が自分事として聞いてくれる安心感
・自分の解決が行き詰った時、他者が共に考えてくれる安心感
このような「自分を受け入れてくれる安心感」を得た時、子どもは、自分は自分らしく
でよいと安心感をもって学びに向き合えるのだと思う。
そうであるならば、「ありのままの子どもを受け入れ、安心感をもたせる」ことも授業
における教師の大切な役割になる。
○「わからなさ・困っていること」を課題とする
教科書に示されるような、理想的な流れで授業は展開されない。なぜなら、教科書には
表現されない「わからなさ・困っていること」が子どもそれぞれにあるからである。
授業とは、子どもの「わからなさ・困っていること」と正面から向き合い、それを仲間
とともに考えながら乗り越えていく中で、子どもが自ら変容していく場である。
つまり、授業で子どもから引き出し、そして取り上げるべきものは、理想となる解決方
法や考え方なのではなく、むしろその逆の、子どもの「わからなさ・困っていること」
なのである。そしてそれを「解決すべき課題」として設定すべきである。
こうした大野先生の授業観が大変参考になる一冊であった。もちろん、教材観や子ども観
についても随所で触れられているし、その一つ一つの観に対する実践事例も挙げられており、読み応えのある一冊であった。